少ない肥料でもよく育つ省エネ型植物の開発

ハチヤ タクシ
蜂谷 卓士
准教授
学部等 |
研究・学術情報本部
総合科学研究支援センター
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産業分野
- 農業,林業 / 農業
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研究分野
- ライフサイエンス / 植物栄養学、土壌学
- ライフサイエンス / 植物分子、生理科学
研究キーワード
研究概要
世界的な人口の増加にともなって作物の増産が求められている。作物の増産には化学肥料の使用が効果的である。しかし、過剰な施肥は、地下水の汚染や温室効果ガスの排出といった環境問題をひきおこす。また、最近の国際情勢によって肥料原料の価格が高騰しており、生産コストを増大させている。このような社会背景のもと、作物の増産と持続可能な農業を両立させるためには、少ない肥料でも高い生産性を示す省エネ型植物の開発が有効である。この目標を達成するために、我々は根における栄養塩の吸収能力が増強されたシロイヌナズナの変異株に着目した。しかし、この株には乾燥に弱くしおれやすい葉をつけるという致命的な欠点があった。そこで我々は、接ぎ木技術を用いて野生株の根をこの変異株の根に置き換えた。その結果、乾燥への耐性を低下させることなく、少ない肥料でもよく育つ省エネ型植物の開発に成功した。今後は社会実装に向けて、様々な作物種を用いた検証も進める。
アピールポイント
我々は少ない肥料でもよく育つ省エネ型シロイヌナズナの開発に成功した。今後はさまざまな作物種を用いた検証をすすめ、社会実装を目指す。本研究成果は社会的に大きな注目を集めており、日本経済新聞の記事「やせた土地でも植物育ちやすく 島根大など、根を改変(2022年7月19日)」にも取り上げられた。