・一致の非対称

顔写真なし
コバヤシ アキコ
小林 亜希子
准教授
学部等
法文学部
言語文化学科
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https://researchmap.jp/akiko35
SDGs 4 質の高い教育をみんなに
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産業分野

  • 教育,学習支援業 / 学校教育

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研究分野

  • 人文・社会 / 言語学 / 生成文法
研究キーワード
極小主義,生成文法

研究概要

 The Beatlesの名曲のタイトルは "Till There Was You." どうしてthere "were" you じゃないのでしょうか? 「私がいるよ!」は "There's me!" どうして there "am" ...にならないのでしょうか? 
 英語は基本的にSV語順であり,VはSの「人称と数」に合わせて形を変えます(一致)。よって,"You were" "I am" となります。しかし,there構文のようなVS語順では,SとVは「数」においてのみ一致します。つまり,youはmeはただの(=デフォルトの3人称の)単数扱いとなるため,Vは3人称単数形を取るのです。
 この現象は「グリーンバーグの言語普遍性 33」と呼ばれるもので,世界の多くの言語で観察されています。しかし詳しく見ていくと,いくつかの点で違いもあるのです。
 なぜ語順によって一致のありかたが変わるのか,そして,さまざまな言語の一致現象の共通点と相違点を合理的に説明することはできるか,といった問題を考えています。

アピールポイント

 "There was you"が正しくて "There were you"とは言わない・・・というのは英語ネイティブ話者の「直観」です。私たちには母語に関する精密な直観があるのです。言語学は言語そのものというよりは言語直観の研究であり,それを通じて人間という種について知ろうとする企てです。

特許情報