繊毛虫のミドリゾウリムシと緑藻クロレラを用いた細胞内共生の成立および維持機構の解明、ミドリゾウリムシと共生クロレラの生物資源としての実用化を目指す研究

コダマ ユウキ
児玉 有紀
教授
学部等 |
生物資源科学部
生命科学科
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SDGs |
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産業分野
- 学術研究,専門・技術サービス業 / 学術・開発研究機関
- 教育,学習支援業 / 学校教育
- 漁業 / 水産養殖業
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研究分野
- ライフサイエンス / 進化生物学
- ライフサイエンス / 細胞生物学
- ライフサイエンス / 生態学、環境学
研究キーワード
クロレラ,ミドリゾウリムシ,原生生物,細胞内共生,真核細胞,進化
研究概要
ゾウリムシ属細胞は最も知名度の高い単細胞真核生物の一種です。それらを使った研究は世界各国で行われ基礎生物学の発展に大きく貢献してきました。私はミドリゾウリムシとその細胞内に共生しているクロレラを使って、真核細胞の誕生と進化や多様化の解明を目指して研究を行なっています。ミドリゾウリムシとクロレラは相利共生の関係ですが、まだ単独でも増殖することができます。共生クロレラの除去や再共生を繰り返し人為的に行うことができるので、ミドリゾウリムシとクロレラは細胞内共生研究の新たなモデル生物として注目されています。細胞内共生は真核細胞の進化の原動力となった生命現象です。真核細胞のミトコンドリアや葉緑体は、10億~20億年前に初代真核細胞に好気性細菌やシアノバクテリアが共生して誕生したと考えられています。ミドリゾウリムシとクロレラの共生の成立や維持機構の解明は、真核細胞の誕生や進化の解明につながると期待されています。さらに、ミドリゾウリムシを用いた水環境改善や、ミドリゾウリムシが持つ有用物質の利活用、ミドリゾウリムシの水生生物の餌としての活用など、環境改善やSDGs実現に関する取り組みも行なっています。
アピールポイント
ミドリムシと間違われがちなミドリゾウリムシですが、新たな生物資源としての大きな可能性を秘めています。ミドリゾウリムシは高校生物の教科書「改訂版 生物基礎(2017年数研出版)」にも細胞内共生の例として紹介されており、真核細胞の進化の理科教育にも役立っている生物です。