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朴 紫暎(バク ジャヨン) Jayeong Park |
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総合理工学部 物質化学科 助教
Interdisciplinary Faculty of Science and Engineering Department of Chemistry
物質化学科
0852-32-6425
1991年08月
ナノテク・材料 / 分析化学 / ケイ酸、リン酸、モリブデン比色法
環境・農学 / 環境動態解析 / ケイ酸、溶出機構、硫化水素、重合体ケイ酸
環境分析化学、環境化学
モリブデン黄法を用いた高濃度のリン定量法開発
(個人研究) 2020年 ~ 2022年
モリブデン黄法を用いたケイ酸とリン酸の連続定量法の開発
ケイ酸とリン酸は分子構造や化学的な性質が似っているため、酸性の条件下でモリブデン酸と反応し錯体(ヘテロ重合体: ケイ・リンモリブデン酸)を形成する。ケイ酸とリン酸の定量にはモリブデン比色法を用いられるが、ケイ酸とリン酸はお互いの定量を妨害するためケイ酸はモリブデン黄法、リン酸はモリブデン青法に分けてそれぞれ測定しなければならない。そこで本研究では、リン酸が酸性条件下でモリブデン酸と反応しケイモリブデン酸と同一な吸収帯をもつ黄色の錯体を形成することや、酒石酸によってリン酸の妨害が除去されることに着目し、ケイ酸とリン酸の連続定量法の開発を目的とした。
研究分野:分析化学
(個人研究) 2020年 ~ 2022年
湖における重合体ケイ酸の生成・分解機構の解明と新規ケイ酸循環モデルの構築
最近,応募者らは湖の無酸素な底層水や堆積物間隙水中に重合体ケイ酸(PSi)が存在していることを確証した。これは世界初の発見と言える。
PSiは珪藻による摂食が不可能である。このため,PSiの生成は珪藻成長阻害をもたらす。
珪藻は他の植物プランクトンと競争的に増殖し,ケイ酸が豊富な環境では珪藻が優占種にな
る。したがって珪藻の増殖はアオコなどの発生抑制にも繋がる。
本研究では,
① 湖底無酸素水域でのPSiの生成と単量体ケイ酸(MSi)への回帰の全機構の解明
② MSi・PSiの存在化学種の解析,湖水中での溶存濃度変化の追跡
③ 珪藻が利用できないPSiから利用可能なMSiへの回帰速度・回帰率の算定
④ 湖底堆積物からの栄養塩の再生による湖水中の元素比N:P:Si モル比の変動の解析
⑤ 湖底堆積物からのMSi・PSiの再生によるアオコや赤潮の発生緩和の影響解析を行う。これらを総合して,新たなケイ酸循環モデルを構築し,湖の水質・生態系保全において過小評価されてきたケイ酸の重要性の再評価に繋げる。
研究分野:環境動態解析
(国内共同研究) 2023年 ~ 2025年
人間・環境学 (課程) 京都大学 人間・環境学