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平山 尚美(ヒラヤマ ナオミ) HIRAYAMA Naomi |
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次世代たたら協創センター 准教授
Next Generation Tatara Co-Creation Centre
次世代たたら協創センター
0852-32-9880
自然科学一般 / 数理物理、物性基礎
第一原理計算、熱電物質
アモルファス合金のナノ構造と機械特性に関する理論研究
アモルファス金属のユニークな物性や力学特性を原子論的に理解するため、第一原理計算や分子動力学シミュレーション、AI技術など、様々な計算手法を組み合わせて研究を行っています。
主要なテーマの一つであるFe基アモルファス合金は、優れた軟磁性体であり、従来材料と比べて鉄損が小さいことから高効率なモーターコア材料として知られています。これを活用できれば、小型かつ長距離飛行が可能なドローンの実現など、様々な応用が期待されています。一方で非常に硬いことから、加工のしにくさが材料の量産化と普及にむけた課題となっています。
上記のような物質の性質は、原子スケールの構造と深く関係すると考えられます。結晶構造をもつ通常の金属とは対照的に、アモルファス材料はガラスのような不規則な原子配置をもちます。しかし、完全なランダム構造ではなく、数原子程度の範囲では原子どうしの相関が現われることが知られ、また、熱処理を行えば局所的な結晶相が出現します。我々は、このようなナノスケールの構造特性が、力学的、電気的、磁気的な物性の起源になっているのでは、と考えています。
このような視点から、本研究では、アモルファス金属の原子間相関や結晶相とその界面等が、弾・塑性変形機構や力学特性の発現メカニズムにどのように影響するのか、その包括的な理解を目指しています。この目的のため、電子・原子シミュレーションを行い、アモルファス金属の物性をミクロな視点から解き明かします。さらにその知見を土台として、新材料の創成にむけた理論設計を行い、社会を豊かにするものづくりに貢献していきます。
研究分野:数理物理、物性基礎
(機関内共同研究) 2020年 ~
博士(理学) (課程) お茶の水女子大学 数理物理・物性基礎